「絵の見方が分からない」
という声を、よく耳にします。
この言葉は、美術の歴史の中で、
抽象的芸術が誕生した時から発生した、
現代人特有の悩みだと思います。
「美術ってなんか、・・・わけわからん」
「なんでこの絵が数億円するのか?・・・・が分からない」
「一体この絵は何をあらわしているの?!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
美術に対する様々な先入観や、それに伴う思い込みを抱えたまま、
美術館に行く人々は、当然のように、
こうなります・・・。
音声ガイダンスを聞きながら、作品の脇にある解説やタイトルだけを
眉間にシワを寄せながら、ただひたすら見続けるのです。
「作品の前に立ち、先入観という名の重たい服を脱ぎ、
裸の心で、作品の中にいる絵師と会話する。」
これが絵を見るということ。
ただそれだけのこと。
絵の前に立ってみても、
絵の中に会話できる絵師が入っていなければ、
お話できないので、その場から移動すればいい。
意味もなく、とにかくその絵の中に有意義な何かがあるんじゃないか・・・・?!
って、思いながら、首を傾げながら、
いつまでも絵の前に立っている必要はないのです。
・・・・・・・・・・・・・・・。
絵師とコミュニケーションを取らずに
美術館をあとにするなんて、勿体ないにも程があります・・・・。
美術館に行って、1枚でも、一人の絵師とでも、
お話ができたらラッキーなんてことはザラにあります。
絵を見るとはこういうことです。