前回は「美しさ」についてお話しました。
美しさとはモチーフに対する謙虚さ。
謙虚であることとは、
先入観をどれだけ手放すことができるか
ということです。
多くの人は
「先入観と思い込み」
だけで絵を描こうとします。
花ってこうだろう。
手ってこうだろう。
猫ってこうだろう。
人の顔ってこうだろう。
その思い込み、先入観をどれだけゼロに近づけられるか…
諦めず、謙虚に、モチーフと真っ向正面から対峙することができるか…
挑み続けられるか…
人はどうしても、集中力が切れると、モチーフを見ずにただ手だけを動かし続けます。
そうなると、最初の頃の本当にモチーフを見て描けていた生きている線を殺してしまうので
たちまち、絵の美しさが、遥か宇宙の彼方に飛んでいって消え去ってしまうのです。