想像で描くことの弱さ

想像やイメージで描かせる空想画という世界があり、私も以前、授業で取り入れていた時期がありました。

殆どの生徒がある程度までは描きますが、素晴らしく美しい作品まではなかなか生まれにくいものです。

その理由はシンプルです。

生徒が空想の世界にあまりのめり込めないからです。

空想とは一見すると、わー✨✨✨✨なんかキラキラしてて自由で楽しそう・・・!

と多くの人がいいイメージを持たれると思いますが、実はとっても難しい世界だと分かります。

生徒が飽きてしまう授業は私が1番辛いです。

そこで!

生徒が絶対に飽きない授業があります。

それは「模写」を取り入れた授業です。

「模写」とはお手本通りに本物そっくりに描くことです。

「模写」と聞いて、えー!そんなの嫌だ!って思われる方もかなりいらっしゃると思いますが、

実は「模写」ほど面白いものはないのです。

現に20年以上中学校で授業をしていて、

ほぼ100%の生徒がずーっと集中力を切らさずに「模写」をし続けているのですから・・・。

自分の美しいと思うものをそっくりに描くために中学生は労力を惜しみません。

模写をしている生徒の目はキラキラと輝いていて、それを見ることができるのは世界でたった1人、私だけです。

「本当に見る」ということが、どれだけ美しい行為であり、

その美しい行為が美しい線を生み出し、

美しい作品を生み出し、

美しさに更に磨きがかかった中学生が放つ美しいエネルギーで満たされた美術室にともに居られる私は

多分世界一しあわせな非常勤講師だと思っています。

一見自由に見える空想画が実は不自由で

不自由に見える「模写」こそが自由な世界であるというお話でした😊

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