自然の色を美しく作るためには、パレットに沢山の色をあらかじめ出しておかなければなりません。
自然の色と絵の具の色は全く違います。
絵の具は絵の具会社さんが作り出した人工物だからです。
私たちの周りにある自然物はほとんど美しく汚れた色をしています。
美しく汚れた色の作り方を赤の場合で説明すると
赤にほんの少しの赤の補色、緑(青緑)を混ぜます。
そうすると、赤の性質は失わず、美しく汚れた赤を作ることができます。
全く真反対の色をほんの少し混ぜるのがポイントです。
ちなみに、補色同士(赤と緑)を同量混ぜると「どぶいろ」になります。
それはそれで美しいとは思いますが・・・
この基本をベースにパレットにある様々な色を
お料理の調味料のように加えていくと無限に自分だけの色を作り出すことができます。
中1の美術の授業で一版多色刷り版画の色づくりをさせる時に
「パレットに沢山色を出してください」
と何回言っても絶対に2色以上出せない生徒が必ずいます。
その生徒のパレットは時間が経つとパレットの全面が青一色になっていて
色遊びが全くできずに終わってしまうのです。
その生徒は色遊びが失敗したらどうしよう・・・・と言う
不安な気持ちで硬くなっているので、パレットが青一色になってしまうのです。
パレットに沢山色を出し、色づくりを楽しんでいる生徒は、リラックスしているので、自然と作品も美しくなっていきます。
パレットの色は心の色を表しているのです。