昭和の絵(線)には質量がある

今、世の中はすべてのものがデータ化されデジタル化されています

そのおかげで暮らし全般がとても便利になりました

さらに、AIの出現により、人間は自ら筆を持たずして

素晴らしい絵画作品や動画まで作り出せるようになりました

テレビも4K、8Kとか・・・(汗)

わたしの脳みそでは理解が追いつかないほどの鮮明さでドラマやYouTubeを見ることも可能になりました

その鮮明さは、例えば、人間の毛穴の奥の奥まで・・・

すべてのものが肉眼で見えるもの以上にクリアに見せてくれているので、さすがに

「ここまで見えなくてもいいんじゃないかなあ・・・」

っていつも感じています

音楽も???あれあれっ???

って思うくらい音が綺麗になりすぎていて・・・

昔のレコードのあの雰囲気の

今ひとつ鮮明ではない素朴な音を聞きたくても聞けない時代になっております

(お願いだからあまりデジタル化しないで欲しいい・・)

世の中がすべてデジタル処理されてくると

この先更に・・・人間の持つ不完全さまで忌み嫌われるようになってくるような

どこまでも均整の取れた、整ったものしか認められないような

プラスチックみたいな無味無臭のような人間だけになってしまうような。。。

そんな恐怖を覚えることもあります

(話がどんどんエスカレートしてしまいました)

でも!嬉しいことに・・😊

今若い人たちが「昭和」の魅力に気づきはじめています

「昭和に生まれたかった」と目の前の中学生がわたしに向かっていうほど

若者はとっくに気づいているのです(わたしは中学校で美術の非常勤講師をしています)

今の時代に活躍されている素晴らしいデジタルアーティストの方々の作品もすごく美しいのですが

わたしが心の底から美しいと感じる作品はやはり手描きのフィジカルの作品です

アーティストの体温や血肉を感じるもの

その作品に重みを感じるものです

あまりにも有名なアーティストの甲本ヒロトさんが

YouTubeでお話していたことが胸に刺さりました

「自宅で音楽を楽しむときは必ずレコードで聞きます

レコードの溝を針でゴリゴリ擦ることで出るあの音はリアルなの

あの音には質量を感じるの」

これは絵(線)にも全くおなじことが言えると思いました

絵は線の集まりですので絵を語る時は「線」についてお話をしています

わたしが線に対して普段から感じていることは例えば・・・

生徒の引く重厚な線に圧倒されたり

藤子・F・不二雄さんや、ちばてつやさんの線を見るたびに言葉を失い見入ってしまったり

カラヴァッジョやフランス・ハルスの輝く線を見て腰を抜かしたり・・・

これらの線に共通していることは

「質量がある」

ということです

ここで言う質量とは

重みであり

想いであり

叫びであり

喜びであり

哀しみであり・・

そう言った人間の持つリアルな感情(重み)

見た瞬間にそれを見た人だけがわかる質量そのもを言います

このリアルさを思いっきり味わえるのが

すべてが手探りで、手間ひまかけて、不便だけど何かを成し遂げたときのあの大きな喜び!

それを毎日体験できた「昭和」につくられたアート

あのアナログでパワフルな昭和の人間が作り出した「リアルさ」であり「重さ」なんだと思います

昭和の輝ける不自由こそが自由であり

昭和の不自由こそが「リアル」そのものなんだと感じて納得できた私なのでした

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