正しさよりも美しさ

中学校で美術の非常勤講師をしています。

中学1年生の一番最初の授業で

「永」という文字のレタリングに挑戦します。

お手本と自分が描く画用紙に、全く同じ補助線を引き

1マスずつ鉛筆で写して行く、という作業をしてもらいます。

作業をスタートさせる前にわたしはこう言います。

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わたしが皆さんの作品を合格にするか不合格にするか

その基準を発表します!・・・・・(ドラム音)

それは、

「正しいか正しくないか」

ではなく

「美しいか美しくないか」

で、判断します。

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そう話した途端!

中学1年生全員の目の色がガラッと変わります。

クラス全員が

「よーし!

やったるでー!」となり

それはそれは、みんな、イキイキとした

キラキラした目で真剣にレタリングに取り組み始めるのです。

毎年毎年、この瞬間を

中学1年生のこの目の色の変化を、

やる気満々になるこのエネルギーを見るたび

子供たちの素晴らしさ、素直さ、

そして美しさを感じることができます。

子供たちが求めているものは

「正しさ」ではなく「美しさ」なのです。

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