美術の授業中の出来事です…。
仕上げの作業を適当にやり、
輪郭線がはみ出したまま
「終わりましたー」と作品を
その生徒は多動症で
気持ちがいつも外に向いています。
「〇〇くん、この輪郭線は美しいかなあ?」
「美しくないです」
「〇〇くんは自分の作品を愛しているかな?」
「ぜんっぜん!!
愛してません!!
今までの作品全部愛してません」
私
「自分の作品を愛してないんだね…
悲しいなあ…
〇〇くんは美術の授業の目的はなんだと思っていますか?
」
「画力を上げることだと思います!!!」
私
「画力?
〇〇くんは
根本から間違っている…」
〇〇くん
「自分の作品を愛せなくても
人を愛することはできますよ!」
私
「 ……。
美術の授業の目的は
自分の作品を愛し、
自分の作品を通して
自分を愛すること
なんですよ。
自分の作品を愛せない人は
自分を愛していないし、
自分を愛してない人は
人を愛することはできないよ」
美術室にいた他の生徒全員が
シーンと静まり返り
〇〇くんも
黙ってしまいました。
真剣に美しさと向き合い、
真剣に自分と向き合って生まれた作品を通して
ありのままの自分を本当に愛することができる時間…。
それが美術の時間だと私は思います。
周りの生徒も表情が変わり、
手が止まり、
自分について、深く
考えているようでした。
〇〇くんのおかげで
私の言葉も引き出され
他の生徒も私も〇〇くんも
大切なことに気づくことができた!
というお話でした
(お話の内容と写真は関係ありません)