レタリングから溢れるほどの感受性

中学校で美術の非常勤講師をしています

はっきり言って、中学生はレタリングが大好きです

レタリングをさせるとその生徒がどんな生徒なのかが分かるので、1年生の最初の授業と2学期にも1回、1年間で計2回も取り組んでもらいます

そして、レタリングは必ず明朝体を描いてもらいます

明朝体は一番馴染みがあるポピュラーな字体で、この世の中の活字はほぼ100%明朝体で表現されています

🔷明朝体には大きく分けて、3つの特徴があります

①縦画が太く、横画が細い

②横画の右端に三角形の山形(ウロコ)がある

③「とめ」「はね」「はらい」などの画線や筆使いが表現されている

どの特徴もゾクゾクするくらい美しいと(個人的に)思っています

そして、私の授業では必ず「レタリング字典」というレタリングの資料集を見ながら補助線を引いてしっかりと模写をしてもらいますので、生徒は迷うことなく黙々と作業をすることができるわけです

文字も美しい「絵」ですので

レタリングとは模写のお勉強になるわけです

点、はね、はらい、ウロコの美しいボリュームや、縦画の絶妙な太さと横画の研ぎ澄まされた細さなど、、、

その、一つ一つの美しい点画の集まりで漢字が出来上がります

考えただけでウットリとするような明朝体、文字の世界・・・なんですが

こういう感動を沢山している生徒の作品は自ずとびっくりするくらい美しくなっていくのです・・・

反対に、感動がそれほどなくて、「課題を出されたから(まあ仕方なく)描きました」みたいなテンションの生徒の作品はそれほどでもないことが多いです

例えば(テンションが低い生徒)

細い横画を太く描いていたり

ボリュームのある「点」を小さく小さく描いていたり・・・

美しい平行直線の縦画を下降するにつれて太くしたり細くしたり・・・・・など

そういう生徒たちは、残念ですが、一つ一つの点画にそれほど愛情を注いでいないことが作品から伝わってきます

反対に

見せられた瞬間、息が止まるほど美しいレタリングが描ける生徒も一定数います

どうすればこんなに美しいレタリングが描けるのか・・・

わたしに教えて欲しい!と思うくらいクリエイターエネルギーを持った生徒もいます

その生徒が一体、点画一つ一つにどれほど感動し、点画の美しさを味わい、清らかな両眼で、見た通りの美しい輪郭線を丁寧に表現していったのか・・・

生徒の作品には生徒の感動と生徒の中にある溢れるほどの感受性が生々しいほどすべての線に刻まれているのです

今日も時間が足りなくて未完成ではありますが、美しい感動と感受性が作品となってこの世に誕生しました

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